手いっぱいなのにさらに仕事を頼まれた 
⇒現状を報告し、できる範囲に収めてもらう

上司:◯◯君、これをまとめておいてくれないか?
自分:かしこまりました。いつまででしょうか?

◆上司からの命令に断る選択肢はない
職場では上司に仕事を命じられたら、断るべきではない。「無理です」「できません」はNGワード。どうせ引き受けるなら気持ち良く。

上司:早いほうが助かるな。なる早で頼むよ。
自分:来週いっぱいでもよろしいでしょうか?

◆しかし安請け合いするのも無責任
とはいえ「できます」と引き受けたことができなければ、あなたは信頼を失うし上司にも迷惑がかかる。そこで期限や範囲を確認する。

上司:今週中にできないの?
自分:今週中ですか。あの、まとめるというのはどの程度でしょうか?

◆手帳を確認するなど困った仕草を見せる
これは「仕事に取り組む意志はある」ことを示すアピール。すぐに無理だとわかっても、ひとしきり悩む素振りを見せるのが大人力だ。

上司:そりゃ丁寧にやってもらうに越したことはないんだが。
自分:もちろんです。ですが今週はほかにもいろいろ抱えておりまして、今週いっぱいとなりますと私の力量では……。

◆自分の状況を率直に伝え相談する
部下の能力や状況を見極め、適切に仕事を割り振るのが上司の役目。手いっぱいなら「拒否」ではなく、状況を伝えて「相談」する。

上司:むぅ、来週の水曜日くらいまでなら何とかなるか?
自分:ご無理を言いまして申し訳ありません。それでしたらお引き受けできます。ありがとうございます。

◆配慮に感謝し、前向きに取り組む
相談の結果、期限を延ばしたり範囲を狭めるなどしてもらったら、それに対して謝意を伝え、与えられた仕事に対しベストを尽くす。

【NGワード】
・今は手いっぱいなので無理です
・いいですよ

【POINT】
振られた仕事は受けるのが、社会人のルール。上のケースでは上司の指示にまず「かしこまりました」と返答したうえで、期限や範囲について相談している。これなら拒否したことにはならず、仕事を達成するための判断と責任は上司に委ねたことになる。なお「いいですよ」は上から目線で相手をムッとさせる返答なので注意。
今井登茂子
コミュニケーションスクール「とも子塾」主宰
元アナウンサー。会話を通じたコミュニケーションのノウハウを体系化し、著書や教室で指導。
 
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