愛とは何か、結婚とは、別れとは、女とは……。古典・小説の登場人物や偉人が発した愛と女にまつわる名ゼリフを小説家の須藤靖貴さんが厳選。心に残る金言を解説付きでお届けする。
恋愛編
恋とは何か、愛とは何か。いくつになっても悩むことの多い「恋愛」について、無数に輝く名言の中から心に響くものを紹介しよう。
恋愛の
株式市場に
安定株はない。
ボードレール●詩人
恋愛初期には駆け引きがあり、交際が続けば心変わりや別れもありうる。母の再婚に傷つき、この時代に生涯独身を通した彼の、ある意味諦観した恋愛への見方が透けて見える。
我々を恋愛から
救うものは、
理性よりも
むしろ多忙である。
芥川龍之介●作家
芥川龍之介の晩年の作品『侏儒の言葉』「多忙」より。古典の登場人物、ウェルテルもロミオもトリスタンも、恋愛に現を抜かしているのはみな暇人ばかりだからだとバッサリ斬った。
恋愛とは何か。私は言う。
それは非常に
理性よりも
恥ずかしいものである。
太宰治●作家
太宰治のエッセイ「チャンス」より。「恋愛感情ではなく異性を愛するのは偽善だ」「恋愛が神聖だなんて口が腐る」「最高の恋は片想いだ」と自分の経験を通して語っている。
愛せよ。
人生において美しいのは
それのみである。
ジョルジュ・サンド●作家
スキャンダラスな男遍歴とともに語られがちな女流作家は、ショパンとの恋愛で生まれ変わったとも言われている。これは、その燃えるような恋を指した言葉なのだろうか。