愛とは何か、結婚とは、別れとは、女とは……。古典・小説の登場人物や偉人が発した愛と女にまつわる名ゼリフを小説家の須藤靖貴さんが厳選。心に残る金言を解説付きでお届けする。
女編
今回のテーマである「女」とは、男にとってどんな存在で、何を考えているのか。思わずにやりとしてしまう格言を集めた。
女の推量は、
男の確信より
ずっと確かである。
ラドヤード・キップリング●作家
ノーベル賞作家キップリングの夫婦関係は、冷めたものだったと言われている。「男が論理的に下した判断より女の勘のほうが信憑性がある」というのは自身の経験だろうか。
外面如菩薩
内面如夜叉
ブッダ
『華厳経』より。女の顔は菩薩のように優しいが、心は夜叉のように険悪で恐ろしい。ブッダはこのようなたとえで、修行中の者に「女性が仏道の妨げになる」と説いた。
弱さであるが、
女にあっては
ひとつの強さである。
アナトール・フランス●作家
芸術サロンの女主人の愛人となり、妻と離婚した経緯を持つ彼だからこそ、「嫉妬」について深く考えたのだろう。ネガティブな感情は、時に女性を強くさせるという持論だ。
生まれるのではない。
女になるのだ。
シモーヌ・ド・ボーヴォワール●哲学者
『第二の性』より。女性の解放を求めて闘った彼女は、「女性らしさは社会的に作られたものにすぎない」と主張した。女にまつわることは、すべて男が作り上げた神話なのだろうか。