芸人 土田晃之さん
1972年、東京都生まれの埼玉県育ち。92年、お笑いコンビ「U-turn」としてデビュー。解散後、2001年からピン芸人となり、サッカー、ガンダム、家電、アイドルなどに造詣が深い“オタク芸人”としても活躍している。プライベートでは3男1女の父。現在、フジテレビ「バイキング」金曜日や、TBS系「ジョブチューンアノ職業のヒミツぶっちゃけます!」などにレギュラー出演しているほか、「EX大衆」での連載をまとめた『納得させる話力』が絶賛発売中。
 

月島の「傳々」は、「うまい肉が食いたい」と思ったら、後輩芸人を連れて行きます。「がんばったらこんなうまい肉が食えるんだぞ」って後輩にハッパかける意味でも、もってこいの店なんですよ。家族で? それはないない。子供には、稼げるようになってから自分のお金で行ってほしいですね。

もう1軒の「いなみ」は、小中学校時代の同級生ノシくんの店です。ノシくんは学年で1、2を争うぐらいおもしろかったヤツ。いまでこそ料理人としてちゃんとやってますけど、昔はドブの水を飲んだり、一緒にいたずらばかりやってたヤツだから、実は料理にはそんなに期待してなかったんです。それが、食ってみたらめちゃめちゃおいしくてびっくりしましたね。いまは白子入りの茶碗蒸しが出てきたりすると、「おまえ、白子とか使うの!? オトナじゃ~ん」って、ノシくんをいじりながら飲んでます。

3月に、『納得させる話力』という本を出版しました。いまではテレビに出て“ひな壇芸人”なんて呼ばれている僕ですが、昔は人前でしゃべるのは大の苦手でした。そんな以前の僕のように、話すのが苦手な人でも“話し上手に見せる”テクニックをまとめたものです。

人にはそれぞれキャラクターがあるので、一概にこれがすべて正しいとは言えませんが、自分に役立つところだけ参考にしていただければと思います。たぶん2ページから4ページは、あてはまるところがあると思うので(笑)。

芸人としては中堅と言われる年になっちゃいましたね。振り返れば、若いころは自分がウケること、名前を売ることしか頭にありませんでした。だけど40歳を過ぎたいま、自分がウケることなんかどうでもよくて、番組がおもしろくなればそれでいいと思うようになりました。

本当は早く辞めたいんですけどね。1番下の子がいま小2だから、まだ当分は働かないとダメですけど(笑)。

理想は伊東四朗さんのポジション。大御所なのに、バラエティーでひな壇に座ってるときもあれば、MCの間にご意見番として座ってることもある。2時間ドラマや連ドラにもポイントポイントで出てくるし、舞台までやってる。極めつきは、何十年も同じ商品のCMやってることですよ。もう、なんなの、伊東さん! 僕の中で伊東さんは神ですね。