ビジネス・ブレークスルー大学 学長 
大前研一さん 

1943年、福岡県生まれ。早稲田大学理工学部卒業後、東京工業大学で修士号を、マサチューセッツ工科大学(MIT)で博士号を取得。日立製作所原子力開発部技師を経て、72年、マッキンゼー・アンド・カンパニー・インクに入社。日本支社長、本社ディレクターなどを歴任。2005年に日本初の遠隔教育法による経営大学院「ビジネス・ブレークスル―大学院大学」を設立。現在はBBT大学に改組し、学長を務める。著書は戦略的思考の入門書として読み継がれ、累計50万部を超える『企業参謀』ほか多数。
 

仕事や趣味と同じように食事は人生を豊かにする。だから私は、毎日の食事についても常に前向きに考える。とりわけ夕食を外で摂るときには、強いこだわりを持って店を選ぶ。

もう20数年前のことになるが、松下幸之助さんの葬儀に参列した際に思ったことがある。もし私が、翁のように94歳まで生きたとしたら、あと何回夕食を愉しめるか……。当時まだ46歳だったから1万8000回余り。行きたいところも食べたいものも山のようにあったので、もはや一度たりとも無駄にできないと思った。