新宗教(新興宗教)は家を単位に広がっていきます。小学生から高校生ぐらいまでの子供が何かの新宗教の信者だという場合、その子の親も信者と思っていいでしょう。

宗教団体が子供相手に布教することは普通ありません。しかし、高校生くらいになると、入信を勧めてくるケースはあります。

大事なのは、そうなっても不必要に驚いたり、あわてたりしないこと。

「そんな人とつきあったらダメ!」などと過剰に反応するのは逆効果。いったいその団体がどういうものか、親子で調べてみるのも、客観的に見ることにつながるはずです。

多くの人にとって、わが子が新宗教に勧誘されていると知って冷静でいるのは、難しいでしょう。ただ、その教団について知ろうとネットで情報を集めたりすると、ほとんどの場合、悪い噂ばかりが目に入ってきます。ネット情報の多くは「家族がこの教団に入信して、ひどい目に遭った」「自分は実態を知って脱会した」という人が、批判的な視点から書いています。その点を踏まえたうえで、それとは違う発信元の情報も集める必要があります。

今の日本では、新宗教の布教活動はそれほど激しくはありません。かつては新宗教の代表格だった創価学会や天理教にしても、新しく入信する若い人のほとんどは、今いる信者の子供たちです。一時期、信者を増やしていた統一教会も、創始者である文鮮明の死後は勢力を落としています。新聞広告などでよく目にする幸福の科学も、信者が大きく増えているということはありません。電車の中などで「手かざし」等の布教活動を行っていたいくつかの宗教団体も、今はやめています。

例外的に活発な布教活動を行っているのが、さいたま市に本拠を置き、北関東など埼玉県以北を地盤とする「顕正会」という日蓮系の団体です。普通の宗教団体は、勧誘するにしても大学生以上が対象ですが、この団体は高校生にも布教しており、相手を折伏しようとして監禁状態に置くなど、暴力的な勧誘で問題になっています。