女子高の制服の定点観測が1つの学び

94年に『東京女子高制服図鑑』のシリーズを終えた後も、年に1~2冊のペースで、イラストを主体とした本を出し続けた。『「制服図鑑」通信』(弓立社)、『ミッションスクール図鑑』(扶桑社)、『アンナミラーズで制服を』(双葉社)、『東京路上人物図鑑』(小学館)、『OL制服図鑑』(読売新聞社)、『私学制服手帖―エレガント篇』(みくに出版)などだ。

現在も、週刊誌や月刊誌でフル稼働の日々だ。『週刊ポスト』(小学館)では、「ふらっと歴史建物探訪」「街のツボ」を連載として毎週描いている。「ふらっと歴史建物探訪」は、都内の古い建物やその周辺をイラストや文章を交え、紹介していく。すでに100回近くになり、最近では、立教女学院(杉並区)や大宮八幡(杉並区)、帝国陸軍ゆかりの建物(北区)などを取り上げた。

中学受験の月刊専門誌『進学レーダー』(みくに出版)では、「私学遺産」という連載を隔月として描く。主に首都圏の私立中学校の教師や生徒、校舎、校庭などをイラストや文章で紹介する。毎回、学校に取材で行くが、あらためて山脇の制服や校風などに魅力を感じたようだ。

「制服をモデルチェンジしようとしたのですが、生徒たちが大正時代から受け継ぐ制服のデザインを守ることを求めたのです。すばらしいな、と思いましたね」

森氏が、中学や高校受験を控える保護者に、制服という観点からお勧めの私立高校は、山脇、青山学院、立教女学院などだという。

「青山学院や立教女学院では、ドレスコードになっていて、このようなものを着用しなさいという、ゆるっとした縛りのようなものがあります。それを踏まえ、シャツなどを選んだりしていく中で、青山や立教らしさを感じ取っていくようになっているのです。それが、生徒にとって、1つの学びなのでしょう。僕にとっては、女子高の制服の定点観測をすることが学びなのだと思いますね。こんなことをもう、30年以上していますから……(笑)」

今後は、女子高の制服の歴史についても取り組んでいくという。女子高の膨大な資料に囲まれたオフィスで淡々とした口調だが、力強く語った。

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