経営者300人以上を取材し、日本の社長の実像に迫る國貞文隆氏とシリーズ50万部『100円のコーラを1000円で売る方法』の著者・永井孝尚氏が語り下ろす最強のタイムマネジメント。今日からできる「賢者の知恵」が満載!

國貞文隆氏からのアドバイス

大勢のサラリーマンにとって9時から18時はひたすら仕事をする時間である。社長ともなれば、そこからさらに会食が入って終わるのは22時。次の日も朝早いので、あとは家に帰って風呂に入り眠るだけだ。社長にとって、考える時間を持つことが一番大事と言っても過言ではない。しかし、普通に過ごしていれば、考えるための時間をどこにも確保できない。だから朝時間は重要なのである。夜まで仕事のある社長には、1人で静かに考える時間は朝しかない。多くの社長はそれに自覚的で、だからこそ朝時間を活用している。朝は頭が冴えているし、ポジティブに考えることができる。夜だと考えるうちに思考がネガティブになり、泥沼から抜け出せなくなってしまい、時間ばかりがどんどん過ぎてしまう。「夜明けの来ない夜はない」ではないが、一度寝てしまえば、頭がリセットされる。寝ている間に頭の中が整理されて明るくなれる。朝時間の重要性がわかっていただけるだろう。

また、朝時間は仕事への準備運動という意味合いもある。IIJの鈴木幸一社長は、朝の3時に起きる。半身浴をして、本を読みながらボーッとする。それからコーヒーを飲み、新聞を読み、どんどん脳を活性化させて出社する。私は300人以上の経営者・社長を取材してきたが、そのすべてが朝型だったというわけではない。午前中にまったく仕事をしない社長もいた。朝起きなければいけないという切迫感に駆られるだけでは意味がない。重要なのは、自分の仕事に合わせて、アウトプットを最大にするためにきっちり準備運動をする、ということだ。特に社長は100%の状態で社員と接しなければならない。2日酔いの顔を見せてしまう社長では、その会社の今後も危ぶまれるというものだ。