Q. 「指示待ち」部下の意識を変えるにはどうしたらいいですか?

社内研修を積極的に行い、セミナー参加に補助金を出すなど、各店舗の人材育成に力を入れていますが、時間がたつと受講前に戻ってしまっている印象を受けます。お客様と直に接する機会が多いため、売り上げにダイレクトに影響が出ることを心配しています。意識を引き締めることはできないでしょうか。(総合小売業)

実はほとんどの場合、コンサルタントのアドバイスというのは常識的なものです。ではなぜコンサルタントが必要とされるかというと、実践できていないことが多いからです。視野が狭い人が多いのです。

例えば穴を掘る仕事があるとします。視野の狭い人は、もっと深くもっと速く掘ろうということに専念して、戦術しか考えない。

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視野を広く持てば、方法は必ず見つかる

一方で、戦略を考えられる人は、深く速くと考えるのではなく、そもそも穴を掘る必要があるんですかと自問します。その穴を掘る必要があるとしたら、実際シャベルを使うのがいいのか、重機を使うのか、きちんと全部認識したうえで始めます。単に目の前のことをやるだけではなく、よりスマートに効率的にできる方法を常に考えるわけです。

あなたの企業の価値がどこにあるのか、顧客に対して感動を与えることができているか、顧客に愛情を持って接しているか、問い直すことが重要です。

ジェイ・エイブラハム
1949年生まれ。米国のトップマーケティングコンサルタントで、世界中の経営者から業績向上のアドバイザーとして、絶大なる人気を誇る。IBM、シティバンク、マイクロソフトなど1万2000以上ものクライアントに対し、70億ドル(約7000億円)もの売り上げ向上をもたらしたと言われる。1回のセミナー受講料は100万円を超えることも。著書に『ハイパワー・マーケティング』などがある。
 
(唐仁原俊博=構成 尾関裕士=撮影)
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