ほどよい緊張感のある健康的な生活を送りながら、報酬も手にできる――。定年退職した後の「第2の仕事人生」を生き生きと充実させている人がいる。一方で、退職と同時に家にひきこもり、心身の健康も崩しがちになり、妻や子どもに疎んじられてしまう人もいる。両者の分かれ道はどこにあるのか。
タバコ、酒を一切断って健康維持
前職と、あえて別分野の仕事に就いた人がある。伊藤忠商事の機械建設部門から55歳で関連会社に出向、63歳で退職した熊野忠孝さん(77歳)だ。
熊野忠孝さん(77歳)
熊野さんは定年退職後に、別の会社に雇用され66歳まで働いた。しかし、「老後」を自宅でのんびり過ごしていたら体重が一気に増え、体調も崩すようになってしまった。
ある日、商社時代のOB会に出席した熊野さんは、介護施設の経営に携わっている後輩から施設のパンフレットを手渡される。入居対象者として、だ。介護が必要と見なされるほど不健康に見えるのだと自覚した。後輩と会話する中で、「介護の仕事をすればすぐにやせられる」と聞き、体力には自信がある熊野さんは施設にスタッフとして入る決意をする。
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