「働けば?」と言うとイラつく妻

「妻にも働いてほしいのですが、どうやったら働く気になりますか?」

先日、小学生と幼稚園の3人の子供がいるご夫婦がご相談にいらっしゃいました。

赤字続きの家計にイライラしたり、落ち込んだりする妻を見て、夫は良かれと思って、「子供も大きくなってきたし、お金が足りないならパートに出て働いたらいいんじゃないか?」と言ったそうです。

そうすると、「長い時間働けないし、3万円とか5万円とか働いたって、結局働くための服を買ったり、疲れて帰るから、お惣菜とかを買うことが増える。それなら働いても働かなくても変わらない」と言われ、妻のイライラがさらに増したというのです。

妻自身も今の赤字家計を脱出したいとは思っているのに、夫の提案にYESと言えない心は何なのでしょう?

・家にいる時間が好きだから?
・家のことが大変だから?
・子どもと一緒にいる時間を大切にしたいから?
・仕事先を探すのが大変だから?
・職場の人間関係などでストレスを感じたくないから?

などなど、いろんな理由があって当たりまえなのですが、妻側の話を伺うと、「自分の時間が無くなるし、お金のために働くのが嫌」ということでした。

頑張って働いていて給料を持って帰ってきても赤字を訴えられる夫としてはこう考えている。

「家計が苦しい → 節約では限界のようだ → 妻が働いたら収入が増える → 収入が増えたら家計がラクになるはずだ」

一方、妻はこう考えている。

「働くように言われた → 働いたら今よりももっと自由な時間が減ってしまう → わたしの家計管理がちゃんとできたら働かなくてもいいはず → お金のために働くのなら、もっと節約して頑張ろう」

妻は、夫の給料をうまく管理できていない罪悪感や、ちゃんとやりくりしなきゃ! という義務感が強く、「お金のために働くよりは、今の収入のなかでやりくりを頑張ろう」と必死なのです。

ここで大切なことは、妻は「働くのが嫌」と言っているのではないということです。

妻が抵抗を感じているのは「働くこと」ではなく、「お金のために」という「何のために働くのか?」という目的です。