20-30年後の自分の収支をイメージ
老後の収入と支出の想像ができれば、必要な老後資金を知るステップの半分ができたも同然です。あとは、65歳~90歳までという仮のゴールを設定して、次の手順に沿って計算します。
【必要な老後資金を知る4ステップ】
(1)「(65歳からの公的年金収入-1カ月の支出)×12カ月×25年」を計算する
【例】(23万円 *1-28万円 *2)×12カ月×25年=▲1500万円
*1 前出「夫:会社員、妻:専業主婦」の年金額。*2 生命保険文化センターの調査では、「老後の最低日常生活費」平均は22万円、「ゆとりある老後生活費」平均は35.4万円。
(2)退職金や個人年金保険などの公的年金以外のまとまった収入を合計する
【例】退職金1500万円 *3+(個人年金保険50万円×10年)=2000万円
*3 厚生労働省「就労条件総合調査」(平成25年)によれば、大学卒(管理・事務・技術職):1941万円、高校卒(管理・事務・技術職):1673万円、高校卒(現業職):1128万円。
(3)リフォーム費用や旅行代、お葬式代などの毎月の支出以外のまとまった支出を合計する
【例】リフォーム費用300万円+(旅行代50万円×10年)+お葬式代2人分400万円=1200万円
(4)上記の (1)+(2)-(3)を計算し、計算結果がプラスの場合はひとまず安心。マイナスの場合は、その金額が65歳までに貯めたい金額になる
【例】(1)▲1500万円+(2)2000万円-(3)1200万円=▲700万円
上記の例の人なら、700万円が不足している計算ですから、65歳までに700万円の老後資金を貯めればひとまず安心できます。現在40歳の人なら65歳まで働くとして25年ありますから、年間28万円が老後資金の目標額になるわけですね。