起業家精神を育む研修プログラム
つい最近ですが、当社の社員が通常業務から遮断された環境でお客さまのニーズについて普段と異なる視点で考え、革新的な事業につなげることを目的とした「イノベーション・ブートキャンプ」と言う、宿泊型の研修プログラムを1週間にわたって行いました。
参加者は事前に提出された革新的なビジネスプランの提案書をもとに選ばれた社員です。5日間のプログラムでは理論学習やディスカッションだけでなく、直接お客さまと対話をする機会も持つことで自己のアイディアを洗練させ、最終日には経営陣にプレゼンテーションを行いました。実現可能な革新的なビジネスとなる可能性を秘めたアイディアは、2015年にシンガポールにあるメットライフ・イノベーションセンターで更なる検討がされる予定です。
この「イノベーション・ブートキャンプ」は今後も日本で年2回行われ、さらに多くの社員が参加する予定です。しかしながらアイディアを持ってシンガポールに行くことができるのは全ての社員ではありません。私は、このキャンプで最も重要なのは、変革や発展には失敗がつきものであると言う事実に慣れることだと考えています。このプログラムが社員にとって変革について普段と違った目で見て考え、そしてもっと創造的になり、起業家精神を育む機会となることを願っています。
私たちの「カスタマー・セントリシティ(=お客さま中心主義)」の戦略が、効果を表してきています。これまで当社の解約失効率は業界内で高い水準にありましたが、この「カスタマー・セントリシティ」に注力した結果、2014年上半期の継続率は当社の過去最高水準へと改善し、保有契約件数は2010年度末比で20%増加しています。
これは当社が進めている戦略が間違っていなかった証だと思っていますが、短期間でこのような進展をみせてきた当社は、お客さまにとって大事なことに注力する戦略的選択と、失敗から学びリスクを取る勇気を持つことで、まだ大いに改善の余地があると思います。
サシン・N・シャー
1967年生まれ、米国出身。米国スティーブンス・インスティテュート・オブ・テクノロジー卒。99年メットライフ入社。2011年アメリカン・ライフ・インシュアランス・カンパニーリージョナル専務執行役員、12年メットライフアリコ代表執行役専務最高執行責任者などを経て、現職。