バイトが殺到する店の特徴

「制服がミニスカートでかわいい!」(マック=写真提供)

國松社長は現場で活躍する社員やバイトとの対話を重視し、彼らの声にひたすら耳を傾け続けている。その中で数多くの気付きを得たという。

「体育会系的なノリでは若い人はついてきてくれない。バイトに接するときも、気遣いができているかセルフチェックしています。社員やバイトを大切にするというのはお題目に掲げるだけでは意味がない。ちゃんと自分の言動で示さなきゃ。上の考えをバイトに押し付けるのも時代にマッチしてないと思いますよ。30代後半の僕ですら、もう感覚が古い。だからバイトの若い子たちのアイデアをもっともっと生かしていきたい。そうすれば彼らだって一生懸命考えてくれるし、やりがいを感じながら楽しく仕事ができる。例えばうちのカラオケの制服は女子たちが『ダサいのはヤダ。もっとカワイイのがいい』って言いながら選び抜いたんです。自分たちで選んだカワイイ制服を着て仕事ができれば、お客さんに見てもらえる喜びだって生まれるでしょ。ラーメン屋だってそう。『こだわりの逸品』とかいっても、実際のところ業界は飽和してます。生きのいいアイデアは現場からしか出てこないんですよ。僕はバイトの子たちが必死になって考えたなら、マヨネーズが山盛りになったラーメンだってGOサインを出しました。そして、売れてるんです」

グローイング・アカデミー学長 有本 均氏

企業が制度改革や体質改善に力を入れる中で、人材育成熱が高まっている。サービス業に特化した研修を定額制で提供するグローイング・アカデミーの有本均学長に話を聞いた。

「人手の確保が難しいとなれば、せっかく獲得できた人材を外に放出するわけにはいかない。つまり、バイトが辞めない環境をつくらなければいけないわけです。バイトが辞めなければ、新人教育にリソースを割く必要もなくなります」

では、バイトを辞めさせないためには何が必要なのか。

「アンケートによれば、最大の要因はコミュニケーションがうまくいっているか。言い換えればバイト先が楽しいかということです。今日はあいつと一緒のシフトか、嫌だなみたいな気持ちでは当然長続きしません」