本来、資産運用は、運用の目的や運用期間、投資資金、リスク許容度などによって、ポートフォリオが異なるものだ。たとえば、老後資金の準備と子どもの結婚費用の準備とでは、目的も運用期間も異なるため、利用する商品も違ってくる。それと同じだ。
年代によっても、NISAの活用方法は異なる。30~40代の資産形成層は、非課税口座を使って毎月積み立て投資をし、長期投資を始めるきっかけづくりをするのに適している。5年経過時に積み立てた資金が100万円になっていなければ、6年目の非課税口座に移管し、100万円になるまで積み立てを続ける。運用商品を選ぶ際は、1年決算型など分配金を出さないタイプの投資信託で、元本の成長を目指すのがいいだろう。50~60代ならば、NISAを活用して、老後の生活費を補てんする資金をつくりたい。毎年、非課税上限の100万円に近い額を投資し、5年後に100万円分を上回った分を課税口座に移し、元本の100万円は非課税口座に移管することを毎年繰り返す。ただし、100万円を下回った場合には、全額を非課税口座に移管し、運用を続ける。
すでにリタイアしていて、分配金を生活費の一部に充てたいなら、非課税口座で毎月分配型ファンドを購入し、分配金を非課税で受け取ることも考えられる。ただし、分配金が「元本払戻金(特別分配金)」の場合は、非課税の対象でないので注意が必要だ。
(構成=大山弘子)