ハイブリッド車が一番損する!

自動車取得税は、自動車を購入した際に課される税金です。その算出法は、車の取得価額(消費税抜き車両本体価格×新車の場合90%)×取得税率5%(軽自動車は3%)。取得価額が300万円の車なら税額は1台15万円です。

国はそれを今後、2014年4月からの消費税増税にリンクさせて、税額を2段階で引き下げます。具体的には、消費税が8%になった段階で、エコカー減税の拡充などグリーン税制を強化し、消費税10%となる15年10月には自動車取得税そのものを撤廃するという段取りです。

自動車取得税は、自治体の収入となる地方税で、12年度の税収見込みは2068億円に達します。なぜ、そんなドル箱をなくすのか。

最大の理由は消費税増税による自動車買い控えの防止。さらに取得税と消費税の二重課税も問題視されていました。そこで、消費税引き上げの代わりに自動車取得税を撤廃することで、自動車販売を後押しする狙いがあるのです。

確かに撤廃されること自体は、自動車業界にとっては追い風になるでしょうが、果たして、肝心要のユーザーにとって本当にお得な対策となるのでしょうか。

ポイントは、2倍に増える消費税と、自動車取得税撤廃との損得勘定です。まず、注目すべきことは、そもそもハイブリッド車などエコカーはすでに自動車取得税が全額免除されているという事実です。よって、取得税が撤廃されることのメリットはゼロ。消費税が増税されたら、その分をそっくりそのままユーザーがかぶることになるのです。

350万円の車両本体価格のハイブリッド車なら、増税される前と後とでは、17.5万円も負担が増える計算となります。

それでは、エコカーではない普通自動車ならどうか。

こちらは自動車取得税撤廃の恩恵を受けられるものの、それだけでは消費税増税分を吸収するにはいたりません。車両本体価格300万円の普通車はこの税制改正により1.5万円の負担増です。