軽自動車が「足」の地方在住者も痛手
最後の車両本体価格70万円の軽自動車であっても1.6万円の負担増になります。軽自動車は他よりも取得価額が安いだけに、負担の増加率は相対的に大きいと言えるでしょう。
それに加えて、取得価額が50万円未満など低価格の自動車や、中古車(普通車で新車登録から6年経過、軽自動車で同じく4年経過)も、そもそもこの自動車取得税がかかっていなかったので、中古車を中心とする低価格の自動車では、「撤廃」の恩恵はなく、エコカー同様に消費税増税の分が丸ごとコストアップになるのです。
結局、ひとことで言えば、「自動車取得税が撤廃されても消費税増税分をカバーできる人はいない、みんな負担増になる」ということ。
とりわけ、ハイブリッド車などのエコカーと軽自動車が、より購入コストがあがる可能性が高いのです。
さらに、気になるのは、これまで地方自治体の大事な財源となっていた自動車取得税の代替として、政治家や官僚が自動車を「保有」する際の「自動車税」の増税が検討されていること。
つまり、今以上にユーザーの負担が増えるかもしれないのです。
都市の住人はそれを機に車を手放すケースも多くなるでしょう。しかし、他の移動手段に恵まれた都市の住人と異なり、軽自動車などが生活の「足」となっている地方在住の人には避けようのない負担増となる危険の潜んだ税制改正といえるでしょう。
(構成=岡村繁雄)