就職、仕事は?

ところで、東大女子は就職先に困らないというイメージがある。念のため聞いてみると、やはり引く手あまた。鈴木さんのサークルの4年生はすでに(4月時点)有名企業への内定者が続出しているそうだ。もちろん、望めば官僚への道も開けるだろうし、研究者として大学に残るなど選択肢は多いのが東大女子の強みだ。

東大出身の女性は働き始めてからもチャンスを与えられやすい、と言うのは採用する側の大里さんだ。

「仕事はチームプレーが大事なので、東大生なら仕事ができるとは思いません。しかし少なくとも東大生には課題をクリアするために努力できる資質がある。ラクをして東大に入った人はいませんから、その点が入社後の期待値として、男女問わず評価されるわけです」

チャンスを生かせるかは本人次第ではあるものの、スタートラインで優位に立てることは間違いない。

さらに、起業する場合にも東大という学歴は有利に働く。大里さん自身、東大出身の女性経営者ということから興味を持たれ、信頼されるケースが多いと実感している。

一方、石戸さんは起業後、学生時代の人脈に助けられているという。

「東大の友人や先輩・後輩はさまざまなフィールドで活躍していて、一緒に仕事をやろうと声をかけてくれたり、公的な手続きが必要な場合には官公庁に勤める先輩が親身に相談に乗ってくれたり。東大の先生方にもお世話になることが多く、私にとっては素晴らしい出会いの場だったと実感しています」

もちろん、結婚後も仕事を続ける女性ばかりでなく、家庭に入り子育てに専念している人もいる。その場合も、自分で選んだ道として自信を持って家事や子育てにいそしんでいる印象がある。東大という場で培われた自信は、この先どんな人生を歩んでも揺らぐことはないのだろう。

そこで結論。東大に入った女性は幸せになれないなんてとんでもない。むしろ、幸せになるためにこそ、頂点を目指して損はなし、だ。

(遠藤素子=撮影)
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