大学外に目を移しても、希少な東大女子はなにかと注目の的。「目立ちたい自分にはぴったり」と言う鈴木さんはアルバイト先の家庭教師派遣会社の看板写真に登場。大筋さんはテレビの経済番組でキャスターを務めている。
もちろん、学びの場としてはこれ以上のものはなし。世界に認められる教授陣から指導が受けられるうえに、興味に応じて自由に学ぶことができる。OGでNPOの理事長の石戸奈々子さんは、もともと航空宇宙工学を学ぼうと東大に入学した。
「でも、勉強してみると考えていた世界と違って。そんなとき、興味を持ったのがマサチューセッツ工科大学(MIT)のメディアラボという研究機関。ここに関係する先生が東大にいて、海外研修でMITや研究所の見学ができ、その後の留学につながった。これをしたいと思ったときに、手を差しのべて、先へ先へと導いてくれるのが東大なんです」
こうしたいいことずくめの環境において、唯一、デメリットと言えるのはサークルの選択肢が限られること。東大には多種多様のサークルがあるが、お茶の水、聖心といった女子大との合同サークルが幅を利かせ、東大女子が入れるのはごく一部だ。
「私の時代はテニスサークルで4つぐらいしか入れなくて、『東大生なのに東大のサークルに入れないの!?』って驚きましたね」
と振り返るのは石戸さんだ。結局、東大生だけのテニスサークルに入り、その仲間とは今も親交を温めているそうだから結果オーライではあるものの、なんとも理不尽な伝統だ。もっとも、「応援団のチアリーダーとして全国を飛び回っていた」「演劇サークルの活動に明け暮れていた」など、課外活動を謳歌していた女子もいるからご安心を。