学歴を超えるのは、男の「生きる力」
リーマンショック以後の、女性たちの結婚の条件は「生きる力」という言葉に集約されている。今回の取材では、専門学校卒の女性から東大卒女性まで誰もが「生きる力」というキーワードを口にした。ここでいう「生きる力」とは「リストラにあっても会社が倒産しても生きていける」という力のことだ。学歴も「生きる力」の一部なのは否定できないが、高学歴でも低収入の男性は「生きる力」=「経済力」と考える女性たちの結婚の対象から外されてしまいがちだ(図8)。
拙書『セレブ妻になれる人、なれない人』で取材した、年収1000万~1億円を稼ぐ夫と結婚した妻の中には、「美容師と結婚した成蹊・成城クラス妻」「専門学校卒の経営者と結婚した早慶クラス妻」などがいた。学歴にこだわらず「好きな男」と結婚したら夫が成功したケースである。
調査でも、「性格のよさ」「経済力」「妻を愛する力」があれば、最終的に学歴は問題にならないという結果が出た(図7)。美容師や整体師、専門技師など手に職がつく資格がある、営業力がある、起業で成功するなど、学歴と関係なく稼いでいる男性は、結婚相手として求められる。MARCH以上の学歴でも、現実には、高卒、短大・専門卒男性と結婚している女性が2割前後もいる(図3)。中途半端な学歴より、「生きる力」をつけた男が選ばれる――それが、現実的な女性たちの結論といえるだろう。
(ライヴ・アート=図版作成)