「書棚を見れば、その人物がどんな人であるかわかる」と言われる。投資の世界で成功を収めた人たちは、いったいどんな本を読んできたのだろうか。サラリーマンや元サラリーマンを中心に、5人の読書歴を紹介する。

資産2億円!“人を動かす”サラリーマン

JACK●バーテンダー、予備校講師、サラリーマンの職歴。投資も株+FX+不動産と多彩。個人投資家の人脈の広さもすごい!

株式投資はインターネットを介し黙々と取り組むイメージがあるが、方法はそれだけではない。JACK氏は逆に「人とのつながり」を大切にしている。

例えば、IPO(新規公開株)はネット証券では抽選で割り振られるため、運がよくなければ手に入れるのは難しいが、支店では裁量配分といって支店ごとにどの顧客に売るかを決められる。

「そこで日頃から営業員と親しくしていれば、自分に売ってもらえる可能性が高くなります。そのためにノルマの達成に協力してあげたりということもするのですが、感謝したりされたりという関係は気持ちのよいものです」(JACK氏)

会話や気遣いによる人間関係を楽しむのは、JACK氏がバーテンや塾講師をしていた頃からの趣味だったようだ。

「どうしたらお客さんに“もう一杯”を注文してもらえるか、どうしたら勉強に身が入らない生徒にヤル気になってもらえるか。そういった駆け引きが身に付いちゃってるんでしょうね」(JACK氏)

そんなJACK氏のお気に入りは『影響力の武器 -なぜ、人は動かされるのか』(ロバート・B・チャルディーニ)や『人を動かす』(デール・カーネギー)など、人間関係の啓発本。

「こういった本をお手本にして何かをやっているわけではないんです。順序としては逆で、自分が昔から自然と人とうまく仲よくやっていく方法として実践していたことが“○○の法則”などとノウハウとして紹介されているのが興味深いのです」(JACK氏)