定年後にいくら必要かを試算せよ

資産運用は「いくら必要か」という金額ではなく、「定年後にどういう生活を送りたいか」という目標設定から始めるべきです。無目的に蓄財にいそしむのは、ゴールを知らずにマラソンを走るようなもの。焦燥感が募るばかりで良い結果につながりません。『60歳までに1億円つくる術』(幻冬舎新書)で1億円という数字を設定しましたが、これはシンボリックなもの。すべての人に老後資金として1億円が必要なわけではありません。

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年収900万円の家計簿

厚生労働省のデータによれば、定年退職後の無職の家庭の生活費は平均で毎月約30万円です。仮に公的年金を月20万円受け取れるとすれば、残りの10万円は自分で準備しなければなりません。80歳までとしても、10万円×12カ月×20年で、2400万円になります。資産運用をしたとしても2000万円程度は必要です。もっとも80歳を超えた時点で、資産はゼロになるので、2000万円は本当の最低ラインと考えたほうがいいでしょう。それ以上いくら必要なのかは自分たちが老後の生活スタイルをどう描くかによって変わってきます。