なぜ、フロリダに家を買ったか
また私は、2年前にアメリカのフロリダにコンドミニアムを購入しました。アメリカではリーマンショック以降、物件価格が大幅に下落すると同時に、賃貸住宅への需要が高まっています。現金を持っていれば、驚くほど安い金額で不動産投資ができるのです。
しかし、現地での視察や収益性の分析など、専門家を交えた緻密な分析が投資の前提であることは言うまでもありません。投資に回してもいい金額的な目安は、銀行の預金に3カ月分の生活費を常に残しておけば、それ以外は投資して構わないと思います。1年を超す生活費を銀行に残しても、今度は預金に資産が集中するリスクが生まれてしまうからです。
一般に日本人は円預金を過信し、外貨を不安視する傾向がありますが、これは、リスクを正しく認識していません。たしかに、戦後為替レートは円高傾向が続き、ここ数年でもリーマンショックやユーロ危機などによって円高と株価低迷が続きました。資産運用をするよりは、手堅く日本の銀行に定期預金をしたほうがいいと考える気持ちもよくわかります。
ただ、この状況はこれから先も10年、30年と続くでしょうか。投資家の多くは来年、資産を倍に増やしたいわけではありません。10年、20年単位で増えればいいわけで、その間もずっとこの経済状況が「続く」と確信するなら日本円で預金を続ければいいでしょう。反対に円安を確信するなら外貨の比率を増やせばいい。
しかし確率が五分五分だと思う人は、半分ずつ持つのがリスクを回避する合理的な方法ではないでしょうか。資産は分散させておくべきで、日本人だからといって円を絶対的に信用し財産を集中させるのは理にかなわない。「リスクをとらないリスク」を知らないうちに取ってしまっているのです。