休職期間を2カ月に区切る精神科医の算術

「気分が落ち込んで、会社に行けなくなってしまいました。休職したいので、診断書を出してください」

最近、初診のときからこのように要望される患者さんが多くなりました。精神科の医師としては、「こういう症状があって辛いので、何とかしてほしい」という依頼を受け、まず診察・治療を行うのが通常のステップだと私は考えています。それだけに、すぐに診断書を欲しがる患者さんとの意識のギャップに、戸惑いを隠せません。

そうした背景には「うつ」に対する考え方の変化があるようです。従来は「大うつ病」といい、意欲や活動性が極端に低下し、罪責感や時には死を願う気持ちを強く持つような重篤な状態となって初めて精神医療の対象となりました。それが近年は、たとえば「気分変調症」といって、そう激しくはない気分の落ち込みが長く持続するような状態も、疾患の範疇に含まれるようになったのです。