SNSで拡散された「巨大ヒグマの猛追」
加害熊は親子三頭の連れのクマだったという。別の資料によれば、「カタキ討ちに行った60才になるベテラン猟人に重症を負わす」という二次災害も発生した(「ヒグマにご用心」斎藤春雄、『林』1960年9月号 北海道林務部)
襲われた状況ならびに被害者が食害されていないことから、母熊が子熊を守るための排除行動で、オートバイに襲いかかったものと思われる。
オートバイといえば最近、チベットで起きた以下の事件が話題になった。
「スクーターの親子をヒグマが猛追、逃げ道を塞がれ絶体絶命に…その様子を捉えた映像にネット民驚愕」〔ニューズウィーク日本版、10月16日(金)18時30分配信〕
9月18日午後8時ころ、中国チベット自治区ナクチュ市で、スクーターに乗った母親と子どもが野生のチベットヒグマに追いかけられる事件が発生した。親子は必死に逃げ、悲鳴を聞きつけて飛び出した近隣住民によってヒグマは追い払われた。防犯カメラに記録された映像はSNSで拡散した。
動画を見てみると、ヒグマは3才程度の若グマのようで、襲うというよりも興味本位に追いかけたという様子であった。
とはいえ、もしも追いつかれて爪でもかけられれば大怪我は免れない。
車を持ち上げて、崖下に投げつける
冒頭のように、ヒグマと乗用車の接触事故はいくつも報告されているが、以下のケースは出色である。
北見のある山道で起こった話です。一台の自動車が山狭の温泉宿にお客を迎えに走っていました。ところが道路の真ん中に大きな熊が二匹の仔熊を連れて寝そべって足の裏を舐めながら頑張っているのでした。運転手がびっくりしてふるえながら狭い道路で自動車を回して逃げかえりました。この話を聞いた今一人の運転手が「よし、おれが行ってやろう」と云って自動車でそこへ行ってみますと熊はまだ頑張っています。がんと自動車にスピードをかけて熊に乗り上げたのです。ところが一度下敷きになった熊はもくもくと自動車を持ち上げ、遂に三間ほどある崖下にその自動車を投げ込んでしまいました。運転手は大怪我をし自動車も大破しました。(旭川市河北良夫氏談)(「第四十三話 北見 自動車を持ち上げる」『開拓秘録北海道熊物語』宮北繁、昭和25年)

