内部留保は「600兆円」の大台を突破
そして0.9ポイントという幅は、40%から23.2%まで下がってきた流れを引き戻すには、あまりにも小さい。潮目が変わったと見るのは、まだ早いだろうと筆者は考えています。
消費税が「社会保障のため」だけに使われているわけではなく、その実態の一面は「国民の負担を増やし、大企業の負担を軽くする」方向に働いてきた――この点を、見過ごすわけにはいきません。
「税と社会保障の一体改革」を掲げて消費税を10%まで引き上げた結果、社会保障は充実するどころか、年金の支給額は実質的に目減りし、医療費の窓口負担は上がり続けています。その一方で、消費税増税と引き換えに法人税を軽減された大企業は、過去最高水準の利益を上げ続けています。
財務省が発表している法人企業統計によれば、企業の内部留保――統計上の利益剰余金――は、2023年度末に初めて600兆円の大台を突破しました。そして翌2024年度末には、637兆5316億円。2012年度以来、13年連続で、過去最高を更新しています。
生活費を切り詰める国民と増える企業の蓄え
わずか1年で、36兆円あまりを積み増した計算になります。社外に還元されずにため込まれた利益が、これほどの規模にまで膨らんでいるのです。
私たちが日々の生活を切り詰め、レジで「高いな」と思いながら支払っている消費税の多くは、必ずしもお年寄りの介護や子供たちのために使われてきたわけではない。
巡りめぐって、大企業が払うべき税金の減収分の穴埋めに回り、結果として彼らの内部留保を支える原資の一部になってきた、と見ることもできます。
経団連が「痛みを伴う改革が必要だ」と訴えながら消費税増税を求める背景には、こうした自分たちの利害も働いていた。
この点を、やはり見過ごすわけにはいきません。
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