女性に比べて悩みを相談し合わない

(2)男性同士で心身の不調やプライベートな悩み事をシェアする習慣がないこと。

女性同士だと積極的に互いの不調や悩みに共感し合うことで支え合うピアサポートが成立しますが、男性は他人に弱みを見せることに拒否感を覚える傾向があり、男性更年期障害が気付かれにくいことにも影響しているのではないでしょうか。

担当編集Kも彼の同業男性も口を揃えて「心身の不調について誰かに相談することは基本ない」と言います(「するとしても妻だけ」という声はいくつかありましたが)。「でも痛風や尿酸値の話題は例外ですね、男同士で盛り上がる鉄板ネタです」と編集K。たしかに痛風も男性に多い病気ですが、飲酒はほどほどに。

(3)「男性更年期障害=男として終わり」という喪失感。

EDや性欲減退が男性更年期障害の代表的な症状であることとの関連性が考えられます。たとえ不調を自覚していて、男性更年期障害の可能性が頭をかすめても「男として終わりたくない」「衰えたことを認めたくない」とフタをしてしまう男性もいるのではないでしょうか。

「テストステロンの呪い」に苦しむ世代

どれもこれも「男性性」「男らしさ」といった社会通念が前提にあるように感じます。「更年期なんて女のもの、男に更年期などない!」「男たるもの、弱みを見せてはならない!」「更年期なんて、男として終わり」といった、間違った「男らしさ」です。まるで令和の更年期世代男性にかかった「テストステロンの呪い」のようです。

「テストステロンの呪い」にかかった令和日本の更年期世代男性は、「男らしさ」から降りることに恐怖を覚えるようです。昭和・平成の頃は「頑張って困難を克服して、より高みへ!」と雄々しさが尊ばれていました。男性週刊誌では雄々しさを尊ぶ団塊世代のシニア向けに「生涯現役! 死ぬまでセックス!」といった特集が頻繁に組まれていたことからも、それが見て取れます。

そして彼らの子どもである就職氷河期世代も「生涯現役! 死ぬまでセックス!」をバッチリ脳内に刷り込まれています。でも、生涯現役から降りられないってしんどくないですか?

サンプル数がそこまで多いわけではありませんが、私の肌感覚として、若い頃は性欲旺盛でオラオラしていた、性生活のプライオリティが高めなタイプだった男性ほど、男性更年期障害の症状が重い傾向があると感じます。性欲はあってもEDになったり、そもそも性欲が沸かなかったり……更年期前との落差が大きく、その分ショックも大きくなるようです。

中にはこのタイプの男性であっても「歳取ったらみんなそんなもんでしょ」と更年期を潔く受容するケースもありますが。一方、草食系の男性が更年期になっても落差が小さい分、ソフトランディングできる傾向があるように感じます。

オフィスで励ます男性
写真=iStock.com/alvarez
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