男性更年期による経済損失は年間1.2兆円
男性更年期障害の症状のうちEDや性欲低下は、性生活のプライオリティが高い人にとってはクライシス級の重大な問題でしょうが、日常生活にはさほど影響を及ぼしません。妻が同世代かそれ以上であれば、夫婦生活にもそこまで影響しないでしょう。むしろ妻は「お勤め」から解放され、ホッとしているかもしれません。
EDや性欲低下以上に日常生活に重大な影響を及ぼすのは、うつや無気力といったメンタル面の不調です。悪化した場合、休職や退職せざるを得なくなることもあり、家計に打撃を与え、家庭運営に甚大な影響を及ぼします。
仕事ができなくなった男性更年期障害の当事者は自分の存在意義が揺らぎ、特にそれまで仕事命・仕事第一だった男性ほど、性生活とは別ベクトルでミッドライフクライシスに繋がりかねません。経済産業省は、男性更年期による経済損失を年間1.2兆円と試算しています。
「更年期=終わり」ではない
声を大にしてお伝えしたいのですが「更年期=終わり」では決してありません。更年期を乗り越えた先には、心身ともに平穏な未来が待ち受けています。
元号が平成から令和に変わり、ありのままの自分を受容する「セルフラブ」という価値観が尊ばれるようになりました。ここ10年ほどでSNSが普及し、個人が匿名で気軽に本音を発信できるようになり、男性の生きづらさが可視化されるようになったことも影響していると考えられます。
今や「より高みへ!」という昭和・平成の雄々しさを尊ぶ価値観も「ガツガツするのはダサい」に変わりました。勇気を出して「男らしさ」から降り、ありのままの自分を受容することが、男性更年期障害の不調の軽減にも繋がるはずです。
日本たばこ産業(JT)が男性でも更年期障害のため特例休暇を取得できる制度を設けたり、ホンダや三菱UFJモルガン・スタンレー証券などが男性の更年期障害に関する啓発活動を実施したり支援制度を導入したりと、更年期障害を理由とした社員の退職や業務効率の低下を防ぐ施策を行う民間企業も少しずつ増えてきています。
このような制度を上手く活用することで、健康と仕事、どちらも諦めないで済むのではないでしょうか。
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