孤立とストレスが招く性犯罪の悪循環
さらに、ファンタジーが性に対する強烈な関心を生み出し、行動の調整が十分にできない状態になると、性的興奮はより高まりやすくなります。そして、そこに怒りや悲しみなどのストレスが引き金として加わることで、性的逸脱行為へと至る可能性が高まるのです。
いずれにしても、こうしたファンタジーは児童期から形成されている可能性が示唆されています。そのため、将来的な性的逸脱行為や性犯罪の予防という観点からは、児童期の段階からファンタジーに対する何らかの適切な支援や介入を検討する必要があると考えられます。
ところで、性犯罪は通常、その行為自体によって犯罪者をさらに孤立させ、社会的な困難さを増大させる傾向があります。
性犯罪を行うことで社会的支援を受けにくくなり、他者との親密な関係を築くことも困難になるでしょう。さらに、もともと感情の調整に問題を抱えている場合には、行動の制御もいっそう難しくなります。
その結果、性犯罪行為によって犯罪者自身のリスク要因が固定化あるいは悪化し、気分を調整するために性犯罪を繰り返したり、行為がさらにエスカレートしたりする可能性があります。
叱責と監視だけでは防げない性非行
潜在的な事案を含めた実態を正確に把握することは困難ですが、一般的に性犯罪は単発ではなく、複数回にわたって行われているケースが多いとされています。
児童への性的虐待についても、成人のケースと機序が多少異なりますが、単発事案より継続的・反復的な事案の方が多いようです。また、性犯罪だけでなく、窃盗や傷害などの他の犯罪行為を併せて行っている場合もあります。
性非行を行った少年たちの少年簿をみると、多くの場合、学童期から様々な問題行動を繰り返していました。
そして、その都度、学校や児童相談所などで注意を受けながら経過観察となり、最終的には逮捕されて少年院送致となる事件を起こすに至っています。中には、逮捕されるまで同じ行為を繰り返したり、行為がより深刻なものへとエスカレートしたりしたケースもありました。
そのような事例に共通してみられたのが、いじめ被害や社会的孤立でした。子どもに性的逸脱行為が初めてみられた際に、単に叱責したり監視的な態度を強めたり、あるいは親密な関係を避けたりすると、かえって問題を悪化させる可能性があります。そのため、初期段階での適切な対応が極めて重要であると言えます。
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