頂点付近で起きる「中年の危機」

この観覧車の頂点付近で起きやすいのが、いわゆるミッドライフクライシス(中年の危機)です。

人生の前半だと思えているうちは、「残り時間」をあまり意識しません。でも、ふと気づくと、これまで生きてきた時間より、これから残っている時間のほうが短い。そう感じた瞬間、人は強い不安や憂うつを覚えます。

実際、幸福度を年齢別に見た研究でも、中年期に一度大きく下がり、その後、再び上がっていくU字型のカーブが確認されています。でも、安心してください。この落ち込みは、一時的なものなのです。

人は環境にも、感覚にも、慣れていくことができる生き物です。観覧車の下りに入った感覚も、そのうち「そういうものだ」と受け入れられるようになります。

ミッドライフクライシスを乗り越えたあと、幸福度が再び上昇するのはこのためです。ですから、今感じている不安を「このままずっと続くもの」と思わなくていいのです。

ドイツ、ミュンヘンの観覧車
写真=iStock.com/Nikada
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今日がこれからの人生で一番若い日

体力が落ちるからこそ、大切になることがあります。それは、今できることを、今やるという姿勢です。今日がこれからの人生で一番若い日。これは事実です。

「いつかやろう」ではなく、「今日できることは、今日のうちに」。この意識で生きていると、不思議と後悔が減っていきます。

私自身も、父が思ったよりも早く、この世を去ってしまいました。

「もっと一緒に過ごしたかった」その思いがあるからこそ、母とは「今親孝行できるうちに」「今一緒に過ごせるうちに」と思いながら過ごしています。そのおかげで、父のときほど後悔せずにすみそうな気持ちになってきています(もちろん、100%とはいきませんが……)。

将来への不安を、無理に消そうとする必要はありません。ただ、そのエネルギーを、今日の行動に振り分けてみてください。たとえばこんなふうに。

・今日できることを1つやる
・会いたい人に連絡する
・体を少し労わる

一日一日を大切にすることは、実は一番確実な生き方です。できることは、たしかに減っていきます。でも、今を大切にすることなら常にできるのではないでしょうか?