「ぼっち罪」があるかのように

ここで、厄介な影響が現れます。「特定の集団で過ごさなくてはならない」という命令がある中で、その集団になじめないとなれば、自分のコミュニケーション能力など全般を低く見積もるようになってしまう。

荻上チキ『孤独をほぐす』(PHP新書)
荻上チキ『孤独をほぐす』(PHP新書)

たまたま割り当てられた集団にマッチしなかっただけでも、周囲と打ち解けられている人との比較を通じて、排斥感や劣等感を覚えるのです。

さらに学校では、「その集団に入れない」ことが嘲笑の対象になることがあります。「ぼっち罪」があるかのように、ひとりでいることをからかわれる。

それが嫌で、無理してでも周囲になじもうとして摩耗する。なお、日本の学校でいじめが最も起きやすいのは、休み時間の教室です。

本来は、集団と合わなかったとしても、休み時間は他の部屋でのリラックスや好きなことをして過ごせれば、エネルギーの回復も進むでしょう。しかし、校則はそれを許しません。

教室が孤独意識を強化する装置に

このように、おかしな校則まみれの教室は、「ひとりになる権利」を奪い、「付き合う相手を選ぶ権利」も奪います。その結果、集団の中にいるからこそ、疎外感や孤独感を強めていくということが起こるのです。

学校での孤独感は、学業成績の低下につながるほか、対人関係の苦手意識を通じ、長期的な孤独の連鎖をもたらします。また、理不尽な校則は、「ひとりの過ごし方」「ストレスのやり過ごし方」を学ぶ機会も奪います。

現在、教室が人為的に孤独意識を強化するような装置になっていることに、もっと大人たちの危機意識が必要です。子どもが安心して座れる「椅子」を、教室に用意できること。それもまた、孤独対策の一里塚なのです。

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