傷んだ枕木の一部は応急補修のまま
列車が再び走り出すと、今度は銃撃ではなく脱線が相次いだ。鉄道公社は、その原因を外部に求めた。
2024年5月、ジェレ駅の近くで、列車の一部の車両が線路から外れた。そのわずか10日後、今度はアシャム駅で列車が脱線する。のちに2025年8月の脱線事故の現場となる駅だ。ナイジェリア独立系オンライン新聞のザ・ケーブルによると、鉄道公社は声明で脱線を「軽微な不具合」と片づけ、レールを留める金具が盗まれたためだと説明した。
たしかに、ナイジェリア系ニュースサイトのサハラ・レポーターズが引用した国家統計局のデータによると、2020〜25年に全国で起きた鉄道関連の事件や事故は188件を超える。その多くは、くず鉄拾いや犯罪組織による破壊行為に関連するものだったという。
だが、NSIBの予備報告書が2025年8月の脱線の原因に挙げたのは、公社自身の整備不良と、転轍機(列車の進路を切り替える装置)の故障だった。
リーダーシップ紙などによると、列車は転轍機を通過した直後に脱線した。この転轍機は以前から自動では動かず、手で切り替えたあとは、留め具で固定する運用だった。その留め具が、折れていたという。純正の交換部品は、すぐには手に入らない状態だった。そのうえ、以前に同じ駅で起きた脱線で傷んだ枕木のうち、一部を公社は交換せず、応急の補修でしのいでいたのである。
開業時の1日5往復が1往復に
脱線が相次げば、運行は慎重にならざるを得ない。列車の所要時間は延び、本数は減った。2026年に入ると、この路線の窮状は、とうとう上院で取り上げられることになる。
1月29日、ナイジェリア上院の議場。アブドゥル・ニンギ上院議員が、この路線がいかに廃れたかを訴え始める。ディス・デイ紙が伝えた同氏の発言によると、開業当初は1日5往復で、毎日約1万人を運んでいた。いまは1日に1往復しかなく、乗客数は800〜900人まで落ち込んだという。最近乗ってみると、かつて1時間半で行けた区間に、3時間半かかった。ゴッズウィル・アクパビオ上院議長は、「自転車のほうが早くカドゥナに着く」と皮肉る。
ニンギ氏はさらに、建設工事で据え付けられた設備の一部は中古だった可能性があると述べ、ナイジェリアは損害を被ったと示唆した。建設を請け負ったのはCCECCである。こうした訴えを受け、アクパビオ氏は、前年11月に設置が決まっていた上院の特別調査委員会を発足させた。サハラ・レポーターズによると、委員会には、鉄道で使われている輸入資材の品質や、中国から受けた融資を調べる役目も与えられた。

