最低月給の約14%で闇取引される切符

機関車が足りない。そのしわ寄せを受けているのは乗客だ。2月に増便計画を打ち出した鉄道公社は、6月下旬になると、かえって減便に踏み切った。

デイリー・トラストの取材に、クブワ駅の関係者が語ったところでは、この路線を走る機関車は2両しかないという。客車の前後に1両ずつつなぎ、互いに予備の役割も担っている。そして、うち1両がついに故障してしまった。公社は、乗客の多い金曜から月曜にかけて1日1本ずつ増やしていた列車の運行を取りやめた。残ったのは1日1往復だけ。毎週水曜は整備のため、この1往復すら走らない。

数少ない切符を、乗りたい人々が奪い合っている。アビゲイル・ガニ氏は、ネットで切符を取ろうと1週間近く試みたがうまくいかず、乗車前日の金曜になって、ようやく土曜の列車の切符を手に入れた。ガニ氏によると、正規の価格なら3500〜4000ナイラ(約420〜480円)のエコノミー席の切符が、闇取引では5000〜1万ナイラ(約600〜1200円)で売られているという。2024年に改定された法定最低賃金は、月7万ナイラ(約8400円)。最低賃金で働く人なら、1万ナイラの切符1枚で月給の約14%が飛んでいく。

ナイジェリアのナイラ紙幣
写真=iStock.com/Tolu Owoeye
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運賃収入で借金を返すはずだった

機関車を増やすにも、車両を更新するにも、資金が要る。だが、建設費として借りた金を運賃収入で返すというこの鉄道の構想は、早くもつまずいた。

ガーディアン紙によると、アマエチ元運輸相は、鉄道自体の収入をもって建設費の借金を返せると主張していた。ところが、襲撃のあとの運休や減便で、肝心の収入が落ち込んだ。

同紙が2023年に報じた債務管理局(DMO)の資料によると、この路線のために中国から借りた5億ドルのうち、3億4615万ドル(約547億円)の返済が済んでいないという。

中国との債務関係には、一般に明かされていない部分がまだ多いとの見方もある。同紙は、中国の対外関係は秘密主義で成り立っていると指摘する。ナイジェリアだけでなく、ほかのアフリカ諸国との取引の多くも同様であり、市民が借金の全容を知るのは、多くの場合、事態が破綻してからだという。

2023年4月には、この路線を含む鉄道建設で負った対中債務の返済が滞っている、とまで報じられた。DMOは報道を否定した。ガーディアン紙の問い合わせに対し、パティエンス・オニハ局長は、「利息と元本は期日に払っている」と答えた。