3時間半以上、立ちっぱなしの乗客

2025年8月の脱線のあとも、この列車に乗りたい人はなお多い。減便となった今、運行本数が圧倒的に足りない。ナイジェリアの国営通信社、ナイジェリア通信が2月に配信した記事は、3時間半以上も立ちっぱなしだったという乗客らの話を伝えている。

初めてこの列車に乗ったジョン・ファブンミ氏は、痛みをこらえきれず、荷物に腰を下ろした。機関車は過熱し、乗務員がバケツで水をかけるたびに冷房が止まって明かりが消え、列車はのろのろとしか進まなかったという。ファブンミ氏は恐れた。道路での襲撃を避けて列車を選んだのに、これほど遅くては、ここでも襲われかねない。

ナイジェリア鉄道公社で社長の広報補佐を務めるアブバカル・ブンマ氏は、水をかけた先は機関車ではなく電源車の発電機だと訂正した。ただ、「過熱したので止め、水をかけ、また動かした」とは認める。同氏によると、公社は今後、運行を1日3〜4往復に増やす計画だという。

ラゴスにおけるレッドライン鉄道大量輸送の試運転
写真=iStock.com/Tolu Owoeye
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連結の外れた機関車が坂を下って追突

その増便計画が報じられた翌月、同じアシャム駅の付近で、またしても列車が事故に見舞われた。今度は脱線ではない。連結の外れた機関車が、その列車に衝突したのだ。

2026年3月16日、月曜の午前7時15分。アブジャ行きの列車が、乗客ら481人を乗せてカドゥナのリガサ駅を出る。8時52分、ジェレ駅に着いた列車の最後尾に、補助機関車が連結された。NSIBの説明では、列車が8時59分に駅を出てほどなく、下り坂でこの機関車の連結が外れたという。機関車は止まることなく坂を下り、9時16分ごろ、アシャム駅の手前で列車の後部に追突した。

「大きな音がして列車ががくんと止まり、人が投げ出された」。乗客のサダ・マルムファシ氏は、ソーシャルメディアのXにそう投稿した。デイリー・トラストの取材に応じた6両目の男性によると、1両あたり約80人が乗車しており、頭にけがをした人や骨折した人、鼻血を出した人が相次いだという。乗務していた看護師も、到底手が回らなかった。

ナイジェリア調査報道紙のプレミアム・タイムズが伝えた鉄道公社の暫定報告によると、乗客や乗務員、警備員など26人が負傷した。

事故のあと、交通アナリストのジョエル・アクパジ氏は、ナイジェリア経済紙のビジネスデーに対し、車両の大半が全面的に更新されないまま10年近く走り続けてきたと指摘した。故障や事故が起きやすくなると、同氏は警告する。