商社中心に「日本版カーギル」形成も
日本や米国など12カ国が交渉している環太平洋経済連携協定(TPP)が決着した場合、もっとも直接的な影響が出るのが農業分野だ。政府は、コメ、麦、牛・豚肉、乳製品、砂糖の原料になるサトウキビなど5項目(586品目)を「聖域」と位置付けて関税撤廃に抵抗しているが、これらの関税が「全面撤廃」された場合、政府試算だと農林水産物の生産額が約3兆円減少する。
具体的にどのような影響が生じるだろうか。コメの場合、関税を撤廃してもすぐに輸入が急増する事態にはならない。国内で消費される「短粒米」を供給できる国は、TPP交渉参加国の中では米国やオーストラリアに限られており、輸出余力が限られているからだ。
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