「主要国の不参加」を解決するには
日本はICC設立を主導した数少ない先進国の一つとして、その理念に一定の敬意を払う立場を取ってきたが、同時に日米同盟という安全保障上の生命線を抱える国でもある。ICCを脱退すること自体は、日本の面子もあるため困難であるのも事実だ。そこで、米国の面子を立てる形で現実的な解決策を模索することが重要だ。
たとえば、ICCの検察官による捜査開始の裁量権に対し、締約国総会が指名する独立審査委員会(法曹資格者と各地域代表で構成)による事前審査を義務化し、政治的思惑での選択的訴追を防ぐことなどが考えられる。
今回のイスラエルに関する措置については、そのプロセスの全公開を実施して再検証することが重要だ。さらに、意見書(アミカス・キュリエ)の招聘は公募制ではなく、締約国・非締約国双方から同数の推薦枠を設けるバランスを持った招聘制に改めるべきだ。最低限、こうした制度改革なしに「普遍性」だけを掲げても、主要国の不参加という構造問題は解決しない。
日本がICCに求めるべき条件
また、赤根所長が日本国民に対して支援を求めるならば、ICCとして下記の改革をしっかりと行うことを約束すべきだ。なぜなら、ICCは本来実施すべき改革をサボタージュしてきたからだ。日本は拠出金第1位の国であり、わが国およびその周辺で発生または発生可能性がある事案に同組織が真剣に取り組むのは当然だ。
仮にICCが日本国民からの支持を受けたいなら、最低限のこととして、北朝鮮による日本人拉致問題と台湾の加盟問題への対処を進めるべきだ。日本政府も最低限その程度のことは支援条件にしたら良い。現状では何のためにICCというサボタージュ組織を支援しているのか、全く理解不能である。
北朝鮮は非締約国であり、現行規程では管轄権の入り口自体が存在しない。拉致を「強制失踪犯罪」(規程7条)の継続犯と明確化し、ICC設立以前の案件であっても遡及適用する体制を整備するべきである。
