「ノー」と言うことから始める

人の希望や意見を優先しすぎると、自分の望みがわからなくなる。相手や状況に合わせ、空気を読んで、言葉を飲み込む。そうやってノーを言わずに、主導権を相手に譲り渡していないか。

自己主張は、わがままではない。和を乱すことではない。

自分の大切な価値観に沿って生きるための力だ。自分の心と体を守る鎧だ。それなしでは、相手の意のままにされ、搾取される。あなたの大切にしたいこと、良い悪いの基準さえも崩される。「いい人」をやめたらもっと楽に生きられる。

でも、それだけではない。私があなたに伝えようとしているのはもっと大きなことだ。今すぐここから、ノーと言う練習を始めよう。そうしないと手遅れになる。自分を失う。

ノーと言わなくてはならないときがある。心と体の健康のため、人との関係を良好に保つためだけではない。それは唯一の防波堤だ。なりたくない嫌な自分へと押し流す波から、身を守るための。

このテーマを軽く見てはならない。あなたのために。周りの人のために。練習すればするほど、あなたは勇敢になる。周りの意向や気分に流されず、顔色をうかがうことなく、あなたらしい人生を選べる。

自分の生き方を自分で決めるために

人生のコンパスを他人に持たせてはならない。それがたまたま、あなたの心が目指す方向と一致すると期待してはならない。それは、ただ被害者意識を生むだけだ。

どんな人間になりたいのか。なぜそうしたいのか。その方向をぶれずに指すコンパスを手放してはならない。それがあれば、何を受け入れ、何にノーと言うべきかがわかる。

自分の望みを押し通すべきか。相手に譲るべきか。その場ではわからない。過去の経験や感情も絡む。我慢をやめて、全て自己主張すればいいわけではない。様々な感情が押し寄せてくる。答えが見えない。どちらも選べない。

そんなふうに、決断を迷わせる複雑な感情と向き合うには、勇気がいる。自己主張のためのアサーションスキルがいる。この2つがそろって、ノーと言える。あなたを支えてくれる。研究から明らかになった有効なツールをここで紹介しよう。