築年数は「何年住むか」から逆算する
次に、築年数の考え方について、もう少し深掘りしてみましょう。「築年数」も、「駅近」と「専有面積」の次に重要な要素です。
築年数につきましては、もちろん「築浅」に越したことはありません。しかしながら、ここでも「要は、使用権が大事」という人生の本質が頭をもたげてきます。
つまり、自分自身の人生設計と照らし合わせて、「自分(達)は、この家に何年住むのか」という「使用期間」を主軸にして決めるのが正解です。
たとえば、「あと20年後には、子供(達)が手を放れて、自分(達)も引退するであろう。そうしたら、高齢者用の住宅に住み替える可能性がある」という場合を例に考えます。
一戸建てでもマンションでも、比較的優良な物件であれば、最近では「築50年」までは使用に耐えられます。もちろん、その過程で、大小の修繕は必要ですが。
そう考えますと、「あと20年後には、……」という予定であれば、入居時において「築30年まで」は許容範囲だということになります(築50年−20年=築30年)。
さらには、この事例で言えば、「築30年まで」は許容範囲なのですから、たとえば、「駅から徒歩5分で、築20年」の物件と、「駅から徒歩10分で、築10年」の物件が同じ価格だったら、「駅徒歩5分、築20年」の物件を選ぶべきでしょう。
築年数よりも、駅からの距離を優先するのです。20年後のリセール・バリューを正確に予測することは不可能ですが、「駅徒歩5分」の価値は永遠ですから。
「家を買うのは一生に一度」はもう古い
そして、そもそも、「5年も10年も先のことはわからないし……。」という方は、購入そのものを見合わせる方がいいでしょう。そういう場合こそ、「賃貸」の出番です。
5年も10年も先のことはわからない場合に、「自分達が住まなくなっても、他人に貸せばいいから」という意見もありますが、それは「所有によほど大きな意味がある場合」に限られます。
なぜならば、賃貸経営で将来的にも正解を得ようという場合、不動産投資に関する専門的な知識を有したうえで、取得する当初からの綿密な計画と計算が必要だからです。そうでなければ、ロスが大きいです。「最初は自分で住んでいたが、人生設計が変わったから他人に貸そう」というのでは、たいがいうまくはいかないでしょう。
そして、ここで、「所有に大きな意味がある場合」というのは、既に述べたように、「インフレ対抗力がある=インフレに追随して価値が上がる」ことに明白な自信が持てる場合のことを意味します。
そして最後に、家を買う個人にとって大事なことは、「家を買うのは、一生に一度」という発想から脱却することです。この発想の背後には、「家を買うなら、新築で買う。そして、家を買ったら、一生そこに住むのが前提だ」という思想があります。
しかし、その発想自体が、もう時代遅れなのです。
令和以降の時代では、日本も、「家は中古でもいいから、人生設計に合わせて、何度か買ったり売ったりするもの」という発想で、柔軟に華麗に生きていくのが正解です。
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