家を買うとき、何を優先すれば後悔しないのか。元青山学院大学大学院教授の榊原正幸さん(会計学)は「内装や設備はリフォームで変えられても、購入後には変えられない条件がある。新築か中古か、築何年かに目を奪われる前に、住みやすさと資産価値を左右する条件を見極めてほしい」という――。

※本稿は、榊原正幸『60歳までに億り人になる思考法』(PHPビジネス新書)の一部を再編集したものです。

住宅
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ヨーロッパでは築100年が当たり前

「新築か中古か」の議論について最初に強調したいことは、日本では異様なまでに「新築信仰が強い」ということです。そして、それはもう時代遅れだということです。

最近になって、特に都心では地価が高騰し続けているため、中古物件が見直されてきましたが、少し前までは、賃貸でさえ、新築が根強い人気を博していました。

ちなみに、ヨーロッパの国々では「新築」という概念は希薄です。ヨーロッパのいずれかの国に行かれた方はご存じだと思いますが、建物は石造りのものがメインで、建物自体の築年数は百年というのも当たり前です。

彼らは、もの凄く古い建物に、内装を新しくして住み続けています。住宅は本質的には「安全に住めること」が大事なので、インフレのことを考えなくていいのであれば、「所有権には意味がなくて、使用権だけで充分」です。

同じように、本質論的に考えれば、住宅に関して「新築にこだわる意味はない」ということになります。

もちろん、新築には、

・新しいので、気分がいい
・他人が住んでいたものではないので、気分がいい
・達成感がある

といった利点はありますが、これらのことは本質的かつ根源的なことではありません。「気分の問題」だけです。ですから、「新築か中古か」の議論については、「中古でも問題はない」ということになります(なお、「気分の問題は重要な問題だ」とお考えの方は、新築にこだわってください)。

築年数より「駅近」にこだわるべき理由

そして、住宅に関しては、新築にこだわることよりも、「駅近」や「専有面積」にこだわる方が、利便性(使用)の意味でも資産価値の維持(所有)の意味でも有益です。

中古であることで、内装や設備類が古くなりすぎたら、リノベーションでかなり改善できますが、「駅からの距離」は改善できないからです。

近所に新駅ができれば、駅からの距離も改善されますが、それは運によるしかないことで、自分ではどうにもできません。

「専有面積」も、隣の物件に空きが出たら、それを買って、マンションなら壁をぶち抜いてフル・リノベーションをして、一戸建てなら増改築をすれば改善できますが、これもなかなか現実的ではないでしょう。

というようなわけで、「中古だけど、駅から徒歩5分」と「新築だけど、駅から徒歩12分」の物件なら、脊髄反射で「中古、駅徒歩5分」を選ぶのが正解です。

ただし、「新築」にも大きな意味が付与される場合があります。それは、

・自分の自由自在なオプションを付けられる
・とても長い間の使用に耐えうる

という2点です。

これらの2点以外には、新築にこだわる意味はありません。

ですから、これら2つのメリットのいずれか(または、両方)を重視する場合には、「新築にこだわる意味」が充分にありますが、逆に言えば、これらのいずれの必要性も大きくない場合には、やはり「中古、駅徒歩5分」が「新築、駅徒歩12分」に圧勝します。

ホームインテリア
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家を買うなら築年数よりも「駅近」や「専有面積」にこだわった方が後で後悔しない。※写真はイメージです