「たった1%」の手数料を甘く見てはいけない
2つ目のポイントが「低コスト」です。
投資信託には、保有している間にかかる「信託報酬」というコストがあります。
商品によって、その水準は異なります。
真中は「1%くらいなら誤差ではないか」と考えます。
しかし、窓際さんはこう言います。
「1%を甘く見てはいけませんよ」
投資期間が長くなればなるほど、この小さな差が無視できなくなるからです。
作中では、その差をイメージするため、1000万円を30年間運用する例が登場します。
仮に年率7%で増え続けるとすると、「72の法則」で考えれば、およそ10年で2倍、20年で4倍、30年で8倍となり、1000万円は約8000万円になる計算です。
ところが毎年1%のコストがかかり、実質的な運用利率を6%として計算すると、30年後は約5740万円。
作中の試算では、その差は約1870万円に達します。
もちろん、これは一定の利回りが続くと仮定した説明用の試算であって、実際の運用成果を保証するものではありません。
それでも示していることはシンプルです。
運用成績そのものを自分で決めることはできない。
株価が明日上がるのか、下がるのかもわからない。
しかし、どれくらいのコストの商品を選ぶかは、自分で決められる。
だからこそ、長期投資ではコストを見ることが重要なのです。
「人気の商品を選ぶ」には理由がある
3つ目のポイントが、「途中で終了しないこと」です。
これは初心者にとって、かなり意外なポイントかもしれません。
投資信託は、一度買えばその商品が永遠に存在し続けるとは限りません。
運用が途中で終了する「繰上償還」が行われることがあります。
もし長期保有するつもりだった商品が途中で終了すれば、投資家はそこで換金することになります。
しかも相場が大きく下落しているタイミングなら、望んでいない時期に損失が確定してしまう可能性もあります。
では、どうすればそのリスクを抑えられるのでしょうか。
著者が1つの目安として挙げるのが、純資産総額です。
多くの資金が集まり、規模の大きなファンドになれば、運用に必要な経費を多くの投資家で負担できます。
さらに一部の投資家が解約しても、ファンド全体への影響は小さくなります。
反対に、純資産総額が小さくなりすぎると、運用を続ける採算が合わなくなり、繰上償還のリスクが高まる場合があります。
だから作中では、初心者に対して「みんなが買っている人気の投資信託を選ぶ」という、驚くほどシンプルな考え方が示されます。
ただし、人気さえあればいいわけではありません。
十分に分散されている。低コストである。そして運用規模も十分にある。
この条件を組み合わせて見ることが大切だというわけです。

