インデックス投資にある「3つの罠」

投資初心者からすると、「インデックスファンド」という名前がついていれば、どの商品も似たようなものに見えるかもしれません。

しかし、実際には投資する対象も、分散の度合いも、コストも異なります。

そこで著者が示す商品選びのポイントは3つです。

①しっかり分散されていること
②低コストであること
③途中で終了しないこと

どれも一見すると当たり前に見えます。

しかし、この3つを具体的に見ていくと、「インデックス投資=何を選んでも同じ」ではないことがわかってきます。

「日経平均=日本全体に分散」ではない。まず1つ目は「分散」です。分散投資が重要だという話を聞いたことがある人は多いでしょう。ただし、一口に分散といっても、その範囲には大きな違いがあります。

1つの企業に投資するのか。

複数の企業に分散するのか。

業種をまたいで投資するのか。

1つの国全体に投資するのか。

世界中へ投資するのか。

真中は「日経平均」という言葉を知っていました。

日本を代表する指数なのだから、日本全体に幅広く分散されているようにも思えます。

しかし、日経平均株価は、日本の上場企業すべてをそのまま反映したものではありません。日本経済新聞社が選んだ225銘柄をもとに算出されており、構成方法の特徴から、一部の値がさ株の動きが指数へ比較的大きな影響を与えることがあります。

著者はこれを例に、「どこまで分散されているのか」を確認する重要性を説明しています。

対して、TOPIXは日本の株式市場をより幅広くカバーする時価総額加重型の指数です。

さらに範囲を広げれば、米国株を広く対象とするS&P500があり、世界へ分散するMSCI ACWIを対象とした、いわゆる「オルカン」のような商品もあります。

同じ「インデックス」と呼ばれていても、その中身はかなり違うのです。

S&P500と書かれた木のブロックと1万円札の束
写真=iStock.com/78image
※写真はイメージです

1900年の「世界一」はアメリカではなかった

世界へ分散する意味を考えるうえで、著者が取り上げるのが「どの国が世界経済をリードするかは、時代によって変わる」という事実です。

現在は米国株の存在感が非常に大きい。

しかし1900年ごろには、世界の株式市場で英国の占める割合が大きく、1980年代には日本株の存在感が極めて大きかった時期もありました。

つまり、「今一番強い国が、何十年後も一番強い」とは限りません。

そこで、世界全体を対象とするインデックスであれば、将来ある国の存在感が高まった場合、その国の比率も指数の中で大きくなっていく。

著者は、特定の国の覇権が変化しても世界全体の成長を取り込めることを、世界分散のメリットの1つとして説明しています。

もちろん、だから誰もが世界株を選ばなければならない、という話ではありません。

重要なのは、自分が買おうとしているインデックスが、いったい何に、どこまで分散しているのかを知らずに買わないことです。