「喜び」や「心地よい刺激」をくれる人

たとえば、家族とただ一緒に過ごすだけでなく、互いの悩みを打ち明けたり、深い感謝を伝え合ったりする「心の通い合い」が大切です。仕事の付き合いであれば、単なる業務連絡以上の、「自分が必要とされている」という実感や、共通の目的に向かって高め合える仲間を持つことが重要でしょう。

近所の人との何気ない立ち話や趣味のサークルでの交流であっても、そこに「喜び」や「心地よい刺激」が伴えば、それは「質の高い人間関係」と言えます。

スーパーエイジャーたちは、こうした「自分をポジティブにしてくれる関係」を、大切に育む人たちであると言えそうです。

社会的なつながりが脳を守るもう1つの経路として、「認知的な刺激」があります。

会話は、1人で本を読むのとは違い、相手の言葉を瞬時に理解し、適切な返答を組み立てるという非常に複雑な認知処理を要します。特に意味のある深い対話――人生について、社会について、互いの経験について語り合う時間――は、脳を活性化させる最良のトレーニングの1つかもしれません。

趣味、植物、ペットが脳を若返らせる

スーパーエイジャーたちが持つ「質の高い人間関係」は、感情的な充足をもたらすだけでなく、脳そのものを鍛え続けています。

勝見祐太『ハーバードが教える 認知症にならない脳のつくり方』(アチーブメント出版)
勝見祐太『ハーバードが教える 認知症にならない脳のつくり方』(アチーブメント出版)

「生きがい(purpose in life)」も重要な要素です。「自分の存在には意味がある」「やるべきことがある」という感覚を持つ高齢者は、認知症を発症するリスクが低く、死後の解剖でも病理の蓄積が少ないことが複数の研究で示されています。

生きがいとは、何も高尚なものではなく、「日々の生活に自分なりの意味や喜びを見出し、脳を動かし続ける習慣」と言い換えられます。

没頭できる趣味、育てている植物、ペット、家族の存在、習い事など、何でもいいのです。「今日はこれをやるぞ」という小さな意欲が、脳内のaMCCを刺激し続けます。

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