高金利キャンペーンの落とし穴

個人向け国債「固定5年」の利率は、期間5年の固定利付国債の想定利回りから0.05%を差し引いて決まります。一方、定期預金の金利は各金融機関が独自に決めており、日銀の政策金利や国債の利回り、銀行の資金調達環境などがベースとなっています。

数年前まで、預金の利息はごくわずかでした。日銀の統計によると、2022年4月時点では、1000万円を1年間預けても、年間利息は税引前でわずか500円。今では、同じ1000万円が数万円〜十数万円の利息を生む時代になったのです。それだけに、預け先選びの重要性も増しているといえるでしょう。

例えば「年2%」という文字が目に飛び込んできたら、多くの方はそこに預けたくなるでしょう。しかし、その金利、本当に額面通り受け取れるでしょうか。

金利上昇を受けて、各銀行は預金を集めるためにキャンペーン合戦を繰り広げています。「新規口座なら金利優遇」「利息に加えてポイント還元」など魅力的な言葉が並びますが、そこには見落としがちな条件も隠れています。特に注意したいのが、次のような点です。

● 優遇金利が適用される期間はどれくらいか
● 新規資金限定か、預入額に上限はないか
● 優遇分が現金ではなくポイント還元ではないか

「とにかく一番金利が高いところへ」と思いがちですが、条件次第では思ったほど受け取れなかったり、そもそも適用外の場合もあるのです。

折れ線グラフとパーセント記号
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10年後の金利はだれも知らない

それなら、定期預金より表面金利の高い個人向け国債を選べば安心なのでしょうか。実はこちらにも、知っておくべきことがあります。

個人向け国債には、固定3年・固定5年・変動10年の3種類があります。固定3年と固定5年は、購入時の金利が満期まで変わりません。金利が上がっても下がっても、受取利息は一定です。一方、変動10年は実勢金利に応じて半年ごとに適用金利が見直されます。

金利が上がれば受取利息が増えますが、下がれば利息も減ります。いずれも年0.05%の最低金利が保証されていますが、変動10年を選ぶということは、金利変動のリスクも引き受けるということです。

定期預金も個人向け国債も、表面上の金利だけでは本当の受取額は見えません。同じ金額・同じ期間・税引後の受取額で比べ、金利が固定か変動かを確認する。この一手間が、自分に合った商品を見つける近道となります。