金利と債券はシーソーでも個人向けは別
「金利が上がると債券価格が下がる」。そんな話を聞いたことがある方もいるでしょう。では、なぜ金利と債券価格は反対に動くのでしょうか。
例えば、額面100円・利率2%の債券を100円で購入したとします。その後、同じ発行体・満期で、利率3%の債券が100円で発行されれば、投資家は当然3%の債券を選びます。すると利率2%の債券は見劣りしてしまい、価格は100円を下回ります。反対に市場金利が1%に下がれば、2%の利息をもらえる債券の魅力が高まり、価格は100円を上回ります。
満期まで保有すれば、発行体が破綻しない限り額面金額が返ってきますが、途中で売却する場合はこの価格変動を受けることになるのです。
この仕組みは一般的な債券に当てはまりますが、個人向け国債は違います。個人向け国債は元本が保証されており、市場金利によって価格が変動することはありません。発行後1年を過ぎれば、額面で国に買い取ってもらえるためです。
途中で解約したいとき、どちらが損?
もし急にまとまったお金が必要になったら、定期預金と個人向け国債、どちらが使いやすいのでしょうか。
定期預金は、満期前でも解約できます。ただし中途解約利率が適用され、当初の金利より大幅に低くなることも珍しくありません。いつでも解約できるとはいえ、その代償は考慮しておきましょう。
一方、個人向け国債は、発行後1年間は原則として換金できません。1年を過ぎれば1万円単位で一部または全部を換金できますが、直近2回分の利子相当額が差し引かれます。つまり「1年は換金できない」「換金するなら約1年分の利子を手放す」という2つの制約があるのです。
安全性はどうでしょうか。定期預金は預金保険制度(ペイオフ)の対象です。1金融機関・預金者1人あたり元本1000万円までとその利息が保護されます。ただし注意したいのは、他の預金と合算される点です。例えば、普通預金200万円がある銀行に定期預金1000万円を預けると合計1200万円となり、200万円分は全額保護とは限りません。
個人向け国債は預金保険制度の対象外ですが、取扱金融機関が破綻しても、国債そのものを保有する権利は守られます。
