バターたっぷりの「食べるラッシー」
では、インドでラッシーはどこで飲めるのか。食堂の代わりに、街にはラッシー専門の店や屋台があります。そうした店では、日本ではなかなか味わえないような個性あふれるラッシーを出すところも珍しくありません。
たとえばラージャスターン州ジョドプルの名物マッカニア・ラッシーは、マッカン(発酵バター)をたっぷり投入した一品で、差し入れたスプーンが立つほどの濃厚さ。「飲む」より「食べる」という表現が似合うラッシーです。
パンジャーブ州アムリトサルの旧市街では、脂肪分の多い水牛のミルクで作ったラッシーをステンレスの大きなグラスに注ぎ、加熱した牛乳の表面に凝固するマライを切り分けて載せてくれます。
固形のマライをかじりながら、ラッシーの液体を口に運ぶ、その繰り返しがたまらなく心地よい一品です。このように、日本と同じ「ラッシー」とは思えない、存在感ある逸品がインド各地に存在します。
日本にあるのは進化版ラッシー
一方で、前述したラッシーの原型に近い形でありつつ、食事と一緒に飲まれるものもあります。
ホエーに塩やコリアンダー(パクチー)を加えた「モール」がその一つで、南インドの食堂ではバナナの葉を敷いたミールスと共にモールを飲む人たちの姿がよく見られます。食事に合わせる点では日本のラッシーと近い存在ですが、ラッシーとは呼ばれていません。
日本の進化版ラッシーは、インド起源でありながら独自進化を遂げたという点では、日本のふかふかのナンや、あんこ、明太子などを使ったアレンジナンにも通じます。
カレーやナンとの相性が抜群で、何より本場インドでもなかなか味わえないタイプのラッシー。そう捉えると、日本のラッシーもまた味わい深いものがあります。
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