インドの茶葉のスタイルは独特

ただ、インドで普及するにあたっては、イギリス式とはまったく異なる飲み方が主流となりました。

イギリスは本国のようにエレガントに紅茶を楽しむ文化を広めようとしましたが、インド人はそれには習わず、砂糖とミルクをたっぷり加え、慣れ親しんだスパイスも取り入れ、独自の茶文化へと発展させていったのです。

茶葉のスタイルも、本国とは異なる道を歩みます。イギリスが当初用いていたのは、茶葉の形を保ったまま加工する「リーフティー」でした。

一方、インド国内で後に主流となったのが、茶葉を機械で細かく砕いて粒状にする「CTC製法」です(CTCは「Crush(押しつぶす)」「Tear(引き裂く)」「Curl(丸める)」の頭文字をとったもの)。

1930年代に開発されたこのCTCは生産効率や保存性に優れ、また短時間で濃い茶が出せることから、ミルクや砂糖と一緒に煮出すインド式の飲み方とマッチし、結果的にインドでのチャイ普及を大きく後押ししました。

日本発「カツカレー」との共通点

こうして生まれたのが、CTC茶葉をミルクで煮出し、たっぷりの砂糖とシナモン・カルダモン・クローブ・ショウガなどのスパイスを効かせたインド式ミルクティー「チャイ」でした。

インドのマサラチャイティー
写真=iStock.com/JulijaDmitrijeva
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そして、当初はイギリスの意図に反した形で生まれた飲み物でありながら、いつしか“逆輸入”の形でイギリスにも広まり、今や同国のカフェでもチャイがすっかりおなじみの存在となっています。

その構図は、カレーがイギリスから日本に伝わって独自の進化を遂げた末、「KATSU CURRY」としてイギリスに“逆輸入”されて定着した事象とも重なります。

なお、イギリスの「TEA」もインドの「チャイ」も、ともに中国の「茶」を語源として生まれた名前だといわれます。