「運営コストが収益を上回っている」
砂漠や紅海の島々をリゾートに変貌させる計画は、方針転換を迫られている。
「紅海プロジェクトの第2段階の工事を中断する決定が下された」と、RSGの上級関係者はAFPに明かした。同社の別の関係者は、「現在の運営コストが収益を上回り、その差は持続不可能な水準に達している」と認めている。
計7人の関係者が、事業の縮小を認めた。AFPは2026年2月、工事は年内に停止する見通しだと報じている。RSGでは数十人、請負企業では数百人が職を失うとみられる。
これら事業に資金を出すのは、サウジアラビアの政府系ファンドである公共投資基金(PIF)だ。PIF系列のプロジェクト管理会社の幹部は、PIFが紅海プロジェクト全体を見直していると述べ、「新規の建設は一切承認されていない」と厳しい現状を説明する。
それでもRSG側は縮小を否定する。第1期のリゾートを2026年内に完成させる予定であり、その後もプロジェクトは続くと、AFPへの回答で主張した。RSGは事業が「強固な運営・商業状態にある」とし、2025年に3000人以上を採用したと説明している。
縮小を迫られたのは紅海だけではない
一方、紅海プロジェクトに限らず、サウジアラビアは戦略全体の見直しを迫られている。
「一部は規模を縮小し、一部は延期する」。サウジアラビアのムハンマド・アル・ジャドアーン財務相はそう語った。2026年1月、スイスのダボスで行われたAFPのインタビューでのことだ。
米・イラン戦争が始まるまで続いた原油価格の低迷は、サウジアラビアの財政を圧迫してきた。世界最大の石油輸出企業であり同国最大の歳入源でもある国営石油会社サウジアラムコは、AFPが報じた2026年2月の時点で11四半期連続の減益に沈んだ。一方で、2030年のリヤド万博と2034年のFIFAワールドカップが控え、いずれも巨額のインフラ投資を伴う。
ナショナル紙は、PIFが2024年の年次報告書で、一部のメガプロジェクトに関連して80億ドル(約1兆2300億円)の減損損失を計上したと指摘する。
ロイター通信によれば、リヤド中心部で計画されていた立方体形のビル「ムカーブ」は工事が止まり、全長170キロメートルを謳っていた直線都市「ザ・ライン」は大幅に縮小され、2030年までの完成計画は撤回された。

