CIA長官には激怒も、特使には「仕事がしやすい」
ラトクリフ長官は、ロシアが戦争を続けるなら、米国は新たな対露制裁を実施し、ウクライナに追加の武器供与を行うとし、「その場合、ロシアの国家的危機が高まる」と警告。プーチン氏への影響力を行使し、停戦に向けて説得するよう求めた。
これに対し、ボルトニコフ長官は数回にわたって話を遮り、「ロシア指導部にこの種の指図をすべきでない」と反発。最後は口を荒げて非難したという。ロシア側出席者は「米露情報機関トップの対面接触では、近年で最も緊張に満ちていた」と述べた。
当初会談を予定していたプーチン氏はボルトニコフ長官の報告を聞いて激怒し、米側が次回も情報機関トップ会談を求めた場合、会談を拒否することも検討するよう指示したという。
プーチン氏はウィトコフ氏との会談後、「あなた方とは仕事がしやすい」と述べ、CIA長官と差別化していた。CIA長官の訪露も、親露のトランプ政権がロシアに是々非々の対応で臨み始めたことを意味する。
現状での停戦は敗北…「私は絞首刑にされるだろう」
CIA長官の訪露直後、ロシア軍は首都キーウなどに連日大規模攻撃を実施しており、長官訪露が不調に終わったことを示した。
ロイター通信によると、クレムリンに近い情報筋は、「プーチン氏は和平交渉には応じず、今後数カ月で戦闘を激化させようとしている」と述べた。
プーチン氏が戦争継続にこだわるのは、現時点で停戦に応じれば、ロシアの敗北となるからだろう。プーチン氏は22年の開戦演説で、ロシアとウクライナを再び一体化させることが自らの歴史的使命とし、ウクライナの「非ナチ化」「中立化」「非武装化」を表明した。これらの戦争目的は実現しておらず、「勝利演説」で語れる成果は少ない。
現状での停戦は、ゼレンスキー氏にとっては勝利とみなされるが、プーチン氏にとっては敗戦であり、政権基盤を揺るがしかねない。
英誌「エコノミスト」(8月30日)によれば、プーチン氏は最低限の目標であるドンバス地方の全面制圧なしに戦争を終結させると、「私は絞首刑にされるだろう」と側近に漏らしたという。自身の身の安全を危惧し、安易な譲歩はできないようだ。
独立系メディア「メドゥーザ」は絞首刑発言について、「戦争をどう終わらせていいか分からず、だからこそ戦況のエスカレートを厭わない」と分析した。
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