約80話、創作だらけの「大岡政談」

忠相といえば公正で機知に富み、人情味ある「大岡裁き」が有名だ。俗に「大岡政談」といわれ、その数、約八十話。

もっともこれは、ほとんどが後世の創作だ。忠相にはそもそも山田奉行時代の逸話からして作り話がある。

山田奉行とは伊勢国山田に駐在し、伊勢神宮や同社の領地である「神領」を統治する遠国おんごく奉行で、門前町の管理や伊勢・志摩の訴訟、鳥羽港の警備・船舶点検などを担当する幅広い職務だった。