「賃金と価格の連動」が日本にはない

一般に賃金をめぐる問題は、企業と労働者の間の分配関係として捉えられることが多い。

実際、労働組合が強く、賃金交渉の結果が産業全体や社会全体に波及する場合、賃上げは価格に反映されることで調整される可能性があり、分配をめぐる調整は賃金と価格の連動を通じて社会に広がる。

しかし、日本ではこうした連動は十分には機能してこなかった。価格は動きにくく、企業利益は長期的には維持されるなかで、調整は主として賃金に集中してきた。